銀行の健全性規制を体系的に理解する

銀行には、損失が発生した場合に耐えられる自己資本、 短期的な資金流出に対応できる流動性、 中長期的に安定した資金調達構造などが求められます。 金融規制は、同じ銀行や取引を対象としていても、規制ごとに確認する目的と計算方法が異なります。

このページでは、自己資本比率規制、流動性カバレッジ比率(LCR)、 安定調達比率(NSFR)、レバレッジ比率規制について、 「何を守るための規制か」「何を比較・計算するのか」から整理し、 個別の制度解説と規制横断比較へ案内します。

本サイトでは当面、銀行の健全性を確保するための規制を中心に扱います。 マネー・ローンダリング対策、顧客保護、金融商品取引法など、 金融に関係するすべての法令・制度を網羅するページではありません。 制度解説は、金融庁告示、公式Q&A、バーゼル銀行監督委員会文書などの公開資料を基礎に整理しています。

規制ごとに何を見るのか

同じ貸出、有価証券、レポ取引、デリバティブ等であっても、 規制の目的が異なれば、必要なデータ、判定、計算結果も異なります。

主な健全性規制の目的と着眼点
規制・指標 主な目的 主な着眼点 時間・構造の視点
自己資本比率規制 保有するリスクに対する損失吸収力を確保する 自己資本とリスク・アセットの関係 信用・市場・オペレーショナル等のリスク
LCR 短期的な資金流出へ対応できる状態を確保する 適格流動資産と純資金流出額の関係 主に30日間のストレス期間
NSFR 資産・取引に見合う安定調達を確保する 利用可能安定調達額と所要安定調達額の関係 1年の時間軸を念頭に置いた資金調達構造
レバレッジ比率規制 過度なレバレッジの積み上がりを抑える Tier1資本(中核的な自己資本)と総エクスポージャー(資産・取引等の総額)の関係 リスク・ウェイトに依存しない補完的な視点

おすすめの読み方

最初に規制別の目的と仕組みを確認し、その後に横断比較とシステム実務へ進むと、 制度、取引、データ、処理のつながりを追いやすくなります。

1.損失吸収力を理解する 自己資本比率規制
自己資本、リスク・アセット、資本バッファー等を確認します。
2.流動性と安定調達を理解する 流動性比率規制
LCRとNSFRの目的、構成要素、主な取扱いを確認します。
3.過度なレバレッジの抑制を理解する レバレッジ比率規制
Tier1資本と総エクスポージャーの関係、主な構成項目を確認します。
4.同じ取引を複数規制で比べる 金融規制の横断比較
商品・取引ごとに規制上の着眼点がどう変わるかを確認します。

規制別に学ぶ

金融規制の横断比較

同じ商品・取引でも、規制によって何を見るかは異なる

貸出、国債、社債・CP(コマーシャル・ペーパー)、株式、ファンド、コミットメント、 担保、レポ、デリバティブ等について、四つの規制の主な着眼点を比較します。

比較する規制
自己資本比率規制 / LCR / NSFR / レバレッジ比率規制
公開中 / 基準時点:2026年8月10日
規制横断の比較表を見る