標準化
原資産、限月、取引単位、値段の刻み、取引時間、決済方法等を商品仕様として統一する。
上場デリバティブの基本構造――先物・オプション
金融システム担当者向けに、商品仕様、注文・約定、建玉、値洗い(日々の価格で損益を再計算する処理)、証拠金、権利行使、最終決済までを一つの流れで整理する
上場デリバティブとは、取引所が商品条件を定め、市場参加者の注文を取引所へ集めて売買する金融派生取引である。取引所で成立した取引は、清算機関が当事者間の債務を引き受け、建玉(未決済の契約残高)、日々の損益、証拠金、満期時の決済を管理する。
原資産、限月、取引単位、値段の刻み、取引時間、決済方法等を商品仕様として統一する。
売買注文を共通の市場へ集め、気配値、約定価格、出来高、建玉残高等を公表する。
清算機関が取引当事者間の債務を引き受け、証拠金や清算基金(清算参加者の破綻損失に備える共同拠出資金)等により履行確保を図る。
日本証券クリアリング機構(JSCC)は、大阪取引所、東京商品取引所、堂島取引所で成立した先物・オプションを清算対象としている。一方、東京金融取引所(TFX)は、TONA3か月金利先物等の市場を運営すると同時に、自ら金融商品取引清算機関として同市場の清算を行う。したがって、取引市場と清算機関の対応関係は市場ごとに保持する必要がある。
| 機関 | 役割 | 公開されている商品例 | システム上の見方 |
|---|---|---|---|
| 大阪取引所 | 金融・商品デリバティブ市場を運営する。 | 日経225・東証株価指数の先物・オプション、国債先物、無担保コール翌日物金利を参照するTONA3か月金利先物、通貨先物、貴金属・ゴム・農産物先物等。 | 取引市場、商品区分、売買制度、取引時間、注文種別を市場別に保持する。 |
| 東京商品取引所 | エネルギー関連の商品先物市場を運営する。 | ドバイ原油、石油製品、電力、液化天然ガス等の先物。 | 現金決済と現物受渡し、数量単位、受渡場所・受渡期間等を商品別に識別する。 |
| 堂島取引所 | 農産物・貴金属等の商品先物市場を運営する。 | 堂島コメ平均(米穀指数)先物、とうもろこし、米国産大豆、小豆、金・銀・白金先物等。 | 取引所固有の商品コード、限月、納会日、最終決済日、受渡条件を管理する。 |
| 東京金融取引所 | 金利先物等の市場を運営すると同時に、自ら金融商品取引清算機関として清算を行う。 | TONA3か月金利先物、TONA3か月金利先物オプション。 | 取引市場と清算機関の双方を東京金融取引所として保持し、JSCC清算の商品と清算経路を分ける。 |
| 日本証券クリアリング機構 | 大阪取引所、東京商品取引所、堂島取引所の上場先物・オプションについて、債務引受けと清算を行う。 | 株価指数、国債、金利、通貨、貴金属、エネルギー、農産物等。 | 取引所約定と清算約定を紐付け、清算参加者、口座、建玉、証拠金、決済を管理する。 |
先物とオプションは同じ上場デリバティブであっても、当事者が持つ権利・義務と損益構造が異なる。
| 比較項目 | 先物 | オプション |
|---|---|---|
| 契約の中核 | 将来の期日に、定めた価格で売買する約束。 | 将来、定めた価格で買う権利または売る権利。 |
| 買い手 | 買う義務または差金決済を行う。 | 権利を行使するか放棄できる。 |
| 売り手 | 売る義務または差金決済を行う。 | 買い手の権利行使に応じる義務を負う。 |
| 取引開始時 | 売買代金全額ではなく、原則として証拠金を差し入れる。 | 買い手がオプション料を支払う。売り手には証拠金が必要となる。 |
| 取引開始後の資金授受 | 日々の清算価格に基づく清算差金を授受する。 | オプション料を取引代金として授受する。指数オプションでは先物のような日々の値洗差金は発生しない。 |
| 損益 | 買い・売りの双方に価格変動損益が生じる。 | 買い手と売り手の損益が非対称になる。 |
| 終了 | 反対売買または商品仕様に基づく最終決済。 | 反対売買、権利行使・割当て、または権利消滅。 |
「日経225先物」のような商品名だけでは、実際に売買する銘柄を特定できない。商品、限月、取引単位、取引最終日等の組合せを確認する必要がある。オプションでは、さらにコール・プットと権利行使価格が加わる。
本ページでは、取引所へ注文を出す際に一つの取引対象として特定する単位を「銘柄」として整理する。 先物では「商品+限月」が基本となるが、同じ原資産でも取引単位や商品仕様が異なれば別商品である。 オプションでは、通常これにコール/プットと権利行使価格が加わる。電力等では地域や契約期間区分も商品を特定する要素となる。
| 商品群 | 1銘柄を特定する主な要素 | イメージ |
|---|---|---|
| 指数先物 | 指数・契約サイズ等で定まる商品 + 限月 | 日経225先物 + 2026年9月限。日経225mini・マイクロ先物は別商品として扱う。 |
| 国債先物 | 国債先物の商品種類 + 限月 | 長期国債先物 + 2026年9月限。中期・長期・超長期ミニ・現金決済型ミニ等は別商品である。 |
| TONA3か月金利先物 | 取引所の商品 + 限月 | 大阪取引所TONA3か月金利先物 + 2026年12月限。東京金融取引所の商品とは別銘柄体系である。 |
| 通貨先物 | 通貨ペアごとの商品 + 限月 | 米ドル/円先物 + 2026年9月限。 |
| 貴金属先物 | 取引所・商品種類・契約サイズ等で定まる商品 + 限月 | 金標準先物 + 2026年12月限。金ミニ、ポケット商品、堂島取引所商品等は別商品である。 |
| エネルギー先物 | 取引所・商品種類・地域・契約期間区分等で定まる商品 + 限月または契約期間 | 東京商品取引所の電力先物では、エリアや月間物・週間物・年度物等も商品特定に関係する。 |
| ゴム・農産物先物 | 取引所・商品種類 + 限月 | RSS3先物 + 2026年10月限、とうもろこし先物 + 2027年1月限等。 |
| 指数オプション | 指数・契約サイズ等で定まる商品 + 限月 + コール/プット + 権利行使価格 | 日経225オプション + 2026年9月限 + コール + 40,000円。 |
| 有価証券オプション | 原証券 + 限月 + コール/プット + 権利行使価格 | A社株式 + 2026年9月限 + プット + 所定の権利行使価格。 |
| 国債先物オプション | オプション商品 + 限月 + コール/プット + 権利行使価格 | 長期国債先物オプション + 所定限月 + コール + 所定の権利行使価格。 |
| TONA3か月金利先物オプション | 東京金融取引所の商品 + 限月 + コール/プット + 権利行使価格 | TONA3か月金利先物オプション + 所定限月 + プット + 所定の権利行使価格。 |
| 金先物オプション | 金先物オプション商品 + 限月 + コール/プット + 権利行使価格 | 金先物オプション + 2026年12月限 + コール + 所定の権利行使価格。 |
株価指数、国債標準物、金利、通貨、貴金属、エネルギー、農産物等、価格の基礎となる対象。
取引期限や満期を迎える月。異なる限月は別銘柄であり、価格、流動性、残存期間も異なる。
表示価格へ乗じる倍率・数量と、注文できる値段の最小刻み。損益変動額を決める。
最終清算数値との差額を授受する現金決済と、原資産等を受け渡す現物決済がある。
| 商品 | 取引単位 | 指数40,000円の場合の取引金額 | 主な用途の違い |
|---|---|---|---|
| 日経225先物 | 日経平均株価の1,000倍 | 40,000,000円 | 大きな金額をまとめて管理しやすい。 |
| 日経225mini | 日経平均株価の100倍 | 4,000,000円 | 先物の10分の1単位で調整できる。 |
| 日経225マイクロ先物 | 日経平均株価の10倍 | 400,000円 | さらに細かい数量調整ができる。 |
顧客や自己売買部門の注文は、証券会社・取引参加者を通じて取引所へ送信される。市場で注文が一致すると約定が成立し、その約定を基に清算機関が債務を引き受け、未決済契約である建玉を管理する。
注文経路と、約定後の清算・証拠金経路を分けて捉える。
取引所では、急激な価格変動や市場運営上の事象に対応するため、注文価格の範囲、約定の一時中断、取引停止、再開方法を定めている。注文を受け付けたことと、直ちに約定できることは同じではない。
| 制度・状態 | 概要 | システム上の注意 |
|---|---|---|
| 制限値幅 | 一取引日に呼値を行える上限・下限の範囲を定め、過度な値動きを抑える。 | 商品・取引日ごとの基準値段、通常時と拡大後の値幅、上限・下限を版管理する。 |
| 即時約定可能値幅制度(DCB) | 基準となる値段から一定範囲を超えて即時に約定しそうな場合、注文の付合せを一時中断する仕組みである。 | 注文受付、付合せ中断、再開予定、基準値段を別の状態・項目として保持する。 |
| サーキット・ブレーカー制度(SCB) | 制限値幅の上限・下限付近で一定条件を満たした場合に取引を一時中断し、商品に応じて制限値幅を拡大する仕組みである。 | 発動方向、発動回数、中断時刻、拡大後値幅、再開時刻を記録する。 |
| 取引停止・再開 | 障害、異常な売買状況、制度上の措置等により取引を停止し、再開時に注文を集めて一つの価格で約定させる板寄せを行う場合がある。 | 停止中の新規注文、訂正・取消しの可否は市場段階や規則によって異なるため、単一の「停止フラグ」だけで処理しない。 |
先物では、価格上昇を見込む側が買い建て、価格下落を見込む側が売り建てる。買いと売りの損益は反対方向に生じる。
| 建玉 | 価格上昇 | 価格下落 | 決済時の基本的な損益式 |
|---|---|---|---|
| 先物買い | 利益方向 | 損失方向 | (決済価格-約定価格)×取引単位×枚数 |
| 先物売り | 損失方向 | 利益方向 | (約定価格-決済価格)×取引単位×枚数 |
価格上昇で利益、価格下落で損失となる買い建玉を作る。
価格下落で利益、価格上昇で損失となる売り建玉を作る。
買い建玉と同一銘柄を売り、買い建玉の全部または一部を解消する。
売り建玉と同一銘柄を買い、売り建玉の全部または一部を解消する。
値洗いとは、清算機関が定める清算価格を用いて、未決済建玉の損益を営業日ごとに計算し直す処理である。前営業日の清算価格から当日の清算価格までの変動を清算差金として授受し、建玉の計算基準を当日の清算価格へ更新する。
約定から終了まで、各営業日の清算価格を境に損益と資金授受を区切る。
証拠金は、将来の価格変動により損失が生じた場合にも取引を履行できるよう差し入れる担保である。売買代金の前払いでも、最大損失額でもない。日本証券クリアリング機構は、上場先物・オプションの取引証拠金について、バリュー・アット・リスク(一定の前提下で想定される損失額)方式を採用している。
過去の市場データ等から価格変動の想定を作り、建玉の組合せごとの損失を計算する。
あらかじめ設定した価格変動等の条件から想定損失を計算する。商品区分により適用方式が異なる。
同一商品や関連商品に反対方向の建玉がある場合、規則に従い建玉の組合せを反映する。
建玉集中や流動性等に応じ、通常の計算額へ割増しが加わる場合がある。
顧客が差し入れた証拠金は、顧客資産のまま清算機関へ預託される場合と、証券会社等が顧客資産を保管し、自社の金銭・有価証券へ差し換えて清算機関へ預託する場合がある。後者で証券会社等が保管する顧客資産が委託証拠金であり、清算機関へ預託される証拠金が取引証拠金である。
| 区分 | 主な流れ | 位置付け | 管理上の注意 |
|---|---|---|---|
| 委託証拠金 | 顧客から証券会社等へ差し入れ、証券会社等が保管する。 | 差換預託を行う場合に、証券会社等が保管する顧客の金銭・有価証券。 | 顧客、口座、金銭・代用有価証券(現金の代わりに差し入れる証券)、分別管理、差換元との対応を管理する。 |
| 取引証拠金 | 清算参加者を通じて日本証券クリアリング機構へ預託する。 | 顧客資産を直接預託する場合と、清算参加者が差し換えた自社資産を預託する場合がある。自己取引分も含む。 | 自己・顧客、清算口座、預託者、資産所有者、商品群、通貨、担保資産、差入期限を管理する。 |
| 項目 | 意味 | 混同した場合の問題 |
|---|---|---|
| 証拠金所要額 | 建玉のリスク等から算定する、必要な証拠金の基準額。 | 証券会社等の上乗せ基準や未決済の入出金を含む請求額と一致するとは限らない。 |
| 追加請求額 | 所要額、受入証拠金、現金授受予定額、社内基準等を基に追加で求める額。 | 計算結果と顧客・部門への請求を分離しないと、再計算や取消しを追跡できない。 |
| 差入済額 | 実際に受け入れ、または清算機関へ預託済みの金銭・有価証券の評価額。 | 差入予定、決済処理中、受入済みを同じ残高にすると充足判定を誤る。 |
| 不足額 | 所要額等に対して、有効な受入額が不足する額。 | 担保掛目、価格下落、現金不足、決済失敗等の原因を残さないと対応先を判断できない。 |
オプションには、定めた価格で買う権利であるコールと、売る権利であるプットがある。定めた価格を権利行使価格、権利の対価をオプション料という。
| 方式 | 行使できる時期 | システム上の注意 |
|---|---|---|
| ヨーロピアン方式 | 所定の満期時に限って権利行使できる。 | 日経225オプション等の指数オプションが該当する。満期前に反対売買することはできるため、「満期まで取引を終了できない」という意味ではない。 |
| アメリカン方式 | 取引開始後から満期までの所定期間中、権利行使できる。 | 国債先物オプション等が該当する。商品ごとの行使受付日、締切時刻、行使日、割当日、決済日を管理する。 |
買い手はオプション料を支払って選択権を得る。売り手はオプション料を受け取り、行使に応じる義務を負う。
| 立場 | 期待する方向 | 最大利益 | 最大損失 |
|---|---|---|---|
| コール買い | 上昇 | 理論上は上限なし | オプション料×取引単位×枚数 |
| コール売り | 大きく上昇しない | オプション料×取引単位×枚数 | 理論上は上限なし |
| プット買い | 下落 | (権利行使価格-オプション料)×取引単位×枚数 | オプション料×取引単位×枚数 |
| プット売り | 大きく下落しない | オプション料×取引単位×枚数 | (権利行使価格-オプション料)×取引単位×枚数 |
表中のプットの最大利益・最大損失は、原資産価格がゼロまで下落し得るという単純化した前提による。いずれも価格表示だけでなく、オプション料、取引単位、枚数を反映した金額であり、手数料等は含まない。
オプション料は、現在行使したと仮定した場合の価値である本源的価値と、満期までに有利な状態へ変化する可能性を反映した時間的価値から構成される。
| 要因 | 意味 | 一般的な影響 |
|---|---|---|
| 原資産価格 | 株価指数・株式等の現在価格。 | 上昇はコール価値を押し上げ、プット価値を押し下げる方向に働く。 |
| 権利行使価格 | 将来売買できる契約上の価格。 | 原資産価格との位置関係が本源的価値を決める。 |
| 残存期間 | 満期までの時間。 | 一般に長いほど時間的価値が大きくなりやすい。 |
| 予想変動率 | 将来の価格変動の大きさに関する市場の見方。 | 大きいほど権利が有利になる可能性が高まり、価値が上がりやすい。 |
| 金利・配当 | 資金調達費用や原資産から得られる収益。 | 先渡価格とオプション価値に影響する。 |
権利行使価格40,000円、オプション料500円の単純例。取引単位・手数料等は省略する。
建玉は満期まで保有する必要はない。満期前に反対売買で解消するか、商品仕様に従って最終決済へ進む。現金決済型と現物受渡型では、満期処理が異なる。
| 終了方法 | 先物 | オプション | 主な管理項目 |
|---|---|---|---|
| 反対売買 | 買い建玉を転売、売り建玉を買い戻す。 | 買いを転売、売りを買い戻す。 | 対象銘柄、決済数量、新規・決済区分、残存建玉。 |
| 現金決済 | 最終清算数値等との差額を決済する。 | 権利行使価値を差金で決済する。 | 取引最終日、最終清算数値決定日、決済日、決済金額。 |
| 現物受渡し | 商品仕様に従い原資産等を受け渡す。 | 行使・割当てにより原資産等の売買へ移行する。 | 受渡数量、品質、場所、口座、資金、受渡状態。 |
| 権利消滅 | 該当なし。 | 行使価値がない、または行使されずに満期を迎える。 | 行使判定、放棄、失効理由、最終状態。 |
通常の限月先物では、満期が近い建玉を反対売買で解消し、より先の限月に新しい建玉を作ることを限月乗換えという。既存建玉の限月を書き換える処理ではない。限月間スプレッド取引(異なる限月の売買を組み合わせた注文)を利用した場合も、清算・建玉上は期近限月の終了取引と期先限月の新規取引を識別し、両者の対応関係を保持する。
株価指数先物・オプションでは、満期時の最終決済に特別清算数値(一般に「SQ」と呼ばれる満期決済用の数値)を用いる商品がある。日経225先物では、取引最終日の翌営業日に構成銘柄の始値を基に算出されるため、取引最終日の終値とは一致しない。
顧客取引では、顧客と証券会社等の関係、証券会社等と清算機関の関係を分けて管理する。顧客が取引を行う証券会社が清算参加者でない場合には、別の清算参加者を通じて清算する場合もある。
注文を執行する主体と、清算機関に対して法的・資金的な責任を負う主体が一致するとは限らない。
保有株式の下落に備えて株価指数先物を売る、プットを買うなど、既存の価格変動リスクを抑える。
価格方向、金利、予想変動率等の見通しに基づいて建玉を持つ。
現物と先物、異なる限月、関連商品の価格関係のずれが縮小することを狙う。
市場参加者の見通しを先物価格やオプション料へ反映し、将来価格や不確実性に関する情報を示す。
| リスク | 内容 | 主な管理例 |
|---|---|---|
| 市場リスク | 原資産価格、金利、予想変動率等の変化による損失。 | 感応度、想定状況、厳しい市場変動を仮定した分析、限度。 |
| 倍率効果によるリスク | 証拠金等に比べ大きな取引金額を持つため、損益変動が大きくなる。 | 取引金額、最大損失、証拠金余力の監視。 |
| 証拠金流動性リスク | 相場急変時に短時間で追加資金・担保が必要となる。 | 日中監視、担保在庫、資金調達計画、流動性余力。 |
| 価格連動の不一致リスク | リスク回避対象と先物・オプションの価格が同じように動かない。 | 相関、調整比率、原資産・限月の適合性。 |
| 流動性リスク | 希望する価格・数量で反対売買できず、価格影響が拡大する。 | 出来高、気配値、建玉残高、集中度。 |
| モデルリスク | 評価方法、市場データ、補間方法等の誤りにより価格・リスク量を誤る。 | 独立検証、価格照合、評価方法の版管理。 |
| 事務・システムリスク | 限月、売買方向、取引単位、権利行使、決済指図等の誤り。 | 入力統制、照合、承認、例外監視、監査証跡。 |
| データ領域 | 主な項目 | 主な管理上の注意 |
|---|---|---|
| 商品・銘柄 | 商品識別番号、銘柄識別番号、取引所、原資産・参照指標、商品区分、限月、取引単位、呼値単位 | 商品と限月別銘柄を分け、仕様変更を適用期間付きで管理する。 |
| 日付・市場制度 | 取引開始日、取引最終日、満期日、最終清算数値決定日、受渡日、最終決済日、取引時間、休日取引区分、制限値幅、即時約定可能値幅、サーキット・ブレーカー条件、市場状態 | 一つの日付項目で代用せず、市場カレンダーと価格統制条件の変更履歴を保持する。取引中断・停止中の注文受付可否も状態別に管理する。 |
| オプション属性 | コール・プット、権利行使価格、行使方式、行使可能期間、行使期限、オプション料通貨、決済方法 | 原資産・限月が同じでも、権利行使価格等により別銘柄となる。ヨーロピアン方式とアメリカン方式を商品仕様として保持する。 |
| 注文 | 注文識別番号、口座、銘柄、売買、新規・決済、注文種類、価格、数量、有効期限、受付・送信時刻、状態 | 訂正、取消し、失効、拒否、部分約定、再送を履歴で追跡する。 |
| 約定 | 約定識別番号、注文識別番号、銘柄、約定価格、約定数量、約定日時、取引市場、取引日 | 一注文対多約定と、夜間取引を含む取引日の定義を管理する。 |
| 清算 | 清算約定識別番号、清算機関、清算参加者、清算口座、自己・顧客区分、債務引受日時、清算状態 | 取引所約定と清算後取引を紐付け、法的な相手方の変更を残す。 |
| 建玉 | 建玉識別番号、口座、銘柄、買建数量、売建数量、差引数量、平均価格、建玉日 | 顧客・自己、売買、限月、清算口座を分離し、日次残高を再現する。 |
| 限月乗換え | 乗換識別番号、期近・期先銘柄、終了注文・約定、新規注文・約定、数量、価格差、処理日時 | 既存建玉の限月更新として扱わず、期近建玉の解消と期先建玉の新規計上を関連付ける。 |
| 値洗い・損益 | 評価日、清算価格、日次損益、実現損益、評価損益、オプション料損益、清算差金、通貨 | 清算差金、顧客口座反映、会計評価、管理損益を混同しない。 |
| 証拠金・担保 | 証拠金口座、委託・取引証拠金区分、計算方式、所要額、追加請求額、差入予定額、差入済額、不足額、担保識別番号、担保掛目(担保評価額を調整する割合)、評価額、期限 | 委託証拠金と取引証拠金、現金と代用有価証券、所要額・請求・決済・残高を分ける。差換預託では顧客資産と清算機関への預託資産を関連付ける。 |
| 権利行使・割当て | 行使識別番号、行使・放棄区分、行使数量、割当数量、権利行使価格、割当口座、処理日、結果 | 自動行使、放棄、部分数量、売り手への割当て、訂正を追跡する。 |
| 最終決済・受渡し | 最終清算数値、決済金額、受渡数量、受渡場所、支払金額、決済口座、決済状態 | 現金決済と現物受渡しを分け、建玉終了と資金・現物決済完了を区別する。 |
| リスク管理 | 原資産価格感応度、感応度の変化、予想変動率感応度、時間経過感応度、想定損失額、厳しい市場変動時の損失、限度使用率 | 評価日時、市場データ、評価方法、集計階層、手動補正を記録する。 |
| 証跡 | 情報源、版、処理日時、変更前後、承認者、例外理由、再処理番号 | 基準日時点の商品仕様、建玉、損益、証拠金、決済結果を再現可能にする。 |
市場・銘柄
中断・停止の理由や市場段階により、注文受付、訂正、取消し、付合せの可否は異なる。
注文
途中で、訂正、取消し、失効、拒否等へ分岐する。
建玉
証拠金
オプション権利行使
最終決済
日経225miniの取引単位は100倍であるため、利益は(40,400円-40,000円)×100×1枚=40,000円である。同条件の売り建玉には40,000円の損失が生じる。手数料等は省略している。
40,000円で買い建てた後、清算価格が40,200円、39,850円、40,400円と変化したとする。取引単位100倍では、日次損益は順に+20,000円、-35,000円、+55,000円となり、累計は+40,000円である。累計損益だけでなく、各日の清算差金と証拠金余力を管理する。
権利行使価格40,000円のコールを、オプション料500円で1枚買い、特別清算数値が41,500円だったとする。取引単位100倍では、支払額は50,000円、本源的価値は150,000円、差引利益は100,000円である。損益分岐点は40,500円となる。手数料等は省略している。
| 誤解 | 整理 |
|---|---|
| 証拠金が最大損失額である | 証拠金は履行確保のための担保であり、損失は証拠金を超え得る。 |
| 先物を買うには取引金額全額が必要である | 売買代金全額ではなく証拠金を差し入れるが、取引単位を乗じた価格変動損益を負う。 |
| オプションは買い手も売り手も損失限定である | 損失が支払オプション料に限定されるのは買い手である。売り手の損失は大きくなり得る。 |
| 満期まで保有しなければならない | 通常は反対売買により満期前に建玉を解消できる。 |
| 限月乗換えでは既存建玉の満期を変更する | 期近限月の建玉を反対売買で解消し、期先限月に別の新規建玉を作る。両方の約定と建玉を残す。 |
| 相場が動かなければオプション価値も変わらない | 時間経過、予想変動率、金利、配当等でも価値は変化する。 |
| オプションも先物と同じように日々の値洗差金を授受する | 指数オプションでは取引代金であるオプション料を授受し、先物のような値洗差金は発生しない。評価損益の更新とは区別する。 |
| 特別清算数値は取引最終日の終値である | 商品仕様に基づいて別途算出される満期決済用の数値であり、終値とは一致しない。 |
| 取引が中断・停止すれば、受付済み注文はすべて自動取消しとなる | 注文受付、訂正・取消し、付合せの取扱いは中断理由や市場段階により異なる。市場状態と注文状態を別に管理する。 |
| 取引所で約定すれば、すべての処理が完了する | 約定後に債務引受け、建玉反映、値洗い、証拠金、反対売買・満期、最終決済が続く。 |
本節は、第1節から第15節で確認した上場デリバティブ共通の業務構造を、現在の日本の代表的な先物・オプション商品群へ当てはめるための参照資料である。商品名を覚えることを目的とせず、取引所、清算機関、原資産、限月、取引単位、値洗い、証拠金、権利行使、最終決済が商品ごとにどのように変わるかを確認する。
| 取引所 | 本節で扱う主な商品群 | 清算機関 | システム上の見方 |
|---|---|---|---|
| 大阪取引所 | 指数・国債・TONA3か月金利・通貨・貴金属・ゴム・農産物・エネルギー関連の先物、指数・有価証券・国債先物・金先物のオプション等。 | 日本証券クリアリング機構 | 商品・限月・清算口座・証拠金をJSCC系統で管理する。 |
| 東京商品取引所 | 原油、電力、LNG、石油製品等のエネルギー先物。 | 日本証券クリアリング機構 | 地点・期間・数量単位等の商品固有属性を持つ。 |
| 堂島取引所 | 堂島コメ平均、農産物、貴金属等の先物。 | 日本証券クリアリング機構 | 商品コード・限月・受渡し/差金決済条件を市場別に持つ。 |
| 東京金融取引所 | TONA3か月金利先物、TONA3か月金利先物オプション。 | 東京金融取引所 | 市場運営と清算を同一法人が担うため、JSCC系統と清算先を分ける。 |
株式市場全体等の価格変動をヘッジする、指数への市場エクスポージャーを取得する、現物・ETF(上場投資信託)との裁定を行う等に利用する。個別株式の所有権や配当請求権を得る取引ではない。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 大阪取引所 | 指数先物を上場し、注文・約定を処理する。 |
| 日本証券クリアリング機構 | 約定後の債務を引き受け、建玉・証拠金・値洗い・最終決済を清算する。 |
| 商品仕様 | 参照指数、倍率、限月、取引最終日、呼値、最終清算数値の定義を銘柄生成の基礎とする。 |
指数値を直接売買するのではなく、限月・倍率を持つ先物銘柄を建玉として管理する。
銘柄単位:指数・契約サイズ等で定まる商品 + 限月。例:日経225先物と日経225miniは、同じ指数を参照しても別商品であり、それぞれの限月ごとに銘柄を持つ。
| 代表商品 | 限月構成 | 取引単位・価格表示の例 |
|---|---|---|
| 日経225先物 | 3月・6月・9月・12月限の計19限月。6月・12月限は直近16限月、3月・9月限は直近3限月。 | 日経225の1,000倍。指数値を円単位で表示する。 |
| TOPIX先物 | 3月・6月・9月・12月限の計13限月。6月・12月限は直近10限月、3月・9月限は直近3限月。 | TOPIXの10,000倍。 |
| ミニTOPIX先物 | 3月・6月・9月・12月の直近3限月。 | TOPIX先物より小さい取引単位を持つ。 |
| その他の指数先物 | 指数ごとに限月設定・本数・最長期間が異なる。日経平均VI、配当指数、海外指数等を一つの限月規則で生成しない。 | 指数ごとに倍率、呼値、最終清算数値の定義が異なる。 |
同じ「指数先物」でも限月構成は共通ではない。日経225先物の19限月という規則をTOPIX先物等へ流用せず、商品IDに対応する限月生成規則から銘柄を作る。
買建ては先物価格上昇で利益方向、売建ては下落で利益方向となる。日次損益・最終損益は価格差×取引単位×枚数を基礎とするが、実務では清算価格の連鎖から日次清算差金を作る。
注文は商品・限月を特定して市場へ送信し、約定後に建玉へ反映する。部分約定、反対売買、限月乗換えは注文・約定・建玉を別IDで追跡する。
JSCCの清算価格により日々値洗いし、清算差金と証拠金所要額を更新する。値洗い損益、証拠金所要額、顧客への追加請求額、実際の入出金は別データとする。
日経225等では取引最終日後にSQを用いて差金決済する。商品によって限月設定や最終清算数値が異なるため、「指数先物=第2金曜日SQ」と固定しない。
| データ群 | 主な項目 |
|---|---|
| 商品・銘柄 | 参照指数、倍率、限月、呼値、取引最終日、最終清算数値方式 |
| 注文・約定 | 注文ID、約定ID、売買、価格、数量、時刻、市場状態 |
| 建玉・値洗い | 口座、買売数量、清算価格、日次損益、清算差金 |
| 最終決済 | SQ等の最終清算数値、決済金額、決済日、状態 |
国債ポートフォリオの金利リスクヘッジ、引受リスク管理、金利見通しに基づく取引等に利用する。原資産を「現物10年国債一銘柄」として固定せず、標準物と受渡適格銘柄を分ける。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 大阪取引所 | 中期、長期、超長期国債先物(ミニ)、長期国債先物(現金決済型ミニ)を上場。 |
| JSCC | 建玉・証拠金・清算・受渡決済を処理。 |
| 受渡決済型 | 中期・長期・超長期ミニでは標準物に対する受渡適格国債と交換比率を管理。 |
| 現金決済型 | 長期国債先物(現金決済型ミニ)は現物国債受渡しを伴わない。 |
受渡決済型と現金決済型では、満期処理に必要なデータが根本的に異なる。
銘柄単位:国債先物の商品種類 + 限月。中期・長期・超長期ミニ・現金決済型ミニ等の商品種類を先に特定し、その中で限月別銘柄を持つ。
| 代表商品 | 限月構成 | 取引単位・価格表示 |
|---|---|---|
| 中期国債先物 | 3月・6月・9月・12月の直近3限月。 | 額面1億円。標準物の額面100円当たりの価格で表示する。 |
| 長期国債先物 | 3月・6月・9月・12月の直近3限月。 | 額面1億円。標準物の額面100円当たりの価格で表示する。 |
| 超長期国債先物(ミニ) | 3月・6月・9月・12月の直近3限月。 | 額面1,000万円。 |
| 長期国債先物(現金決済型ミニ) | 3月・6月・9月・12月の直近3限月。 | 長期国債標準物の価格を対象とする現金決済型。 |
国債先物では限月数は共通していても、受渡決済型と現金決済型では最終処理が異なる。限月生成規則と決済方式を別属性にする。
国債価格上昇・金利低下で買建てが利益方向、国債価格下落・金利上昇で売建てが利益方向となる。金利リスク量は残存期間や現物国債ポートフォリオとの対応を別途評価する。
限月別に注文・約定・建玉を管理し、受渡決済へ残す建玉と反対売買で終了する建玉を分ける。カレンダー・スプレッドを利用しても、各限月の建玉更新を個別に残す。
JSCCの清算値段で値洗いし、VaR(想定損失額を基礎にする方式)による証拠金を計算する。受渡しへ進んでも満期前の日次清算処理を省略しない。
受渡決済型では、取引最終日後に受渡適格銘柄、交換比率、額面、受渡代金、受渡日を確定する。現金決済型ミニでは最終清算数値から差金を計算する。両方式を一つの決済明細へ押し込まない。
| データ群 | 主な項目 |
|---|---|
| 標準物 | 標準クーポン、年限、商品区分 |
| 受渡適格銘柄 | 国債銘柄、残存期間、交換比率、適格期間 |
| 建玉・清算 | 限月、価格、数量、清算値段、証拠金 |
| 受渡し | 渡方選択銘柄、額面、受渡代金、受渡日、決済状態 |
| 現金決済 | 最終清算数値、差金、決済日 |
将来の短期金利、RFR(リスク・フリー・レート:取引実績等に基づく金利指標)やOIS(翌日物金利スワップ)に連動するリスクのヘッジ、市場の政策金利見通しの取引等に利用する。
| 取引所 | 商品 | 清算機関 | 証拠金の代表方式 |
|---|---|---|---|
| 大阪取引所 | TONA3か月金利先物 | JSCC | VaR方式 |
| 東京金融取引所 | TONA3か月金利先物 | 東京金融取引所 | SPAN方式 |
参照金利の経済性は近くても、取引所・清算機関・呼値・証拠金方式は別である。
銘柄単位:取引所の商品 + 限月。大阪取引所と東京金融取引所のTONA3か月金利先物は、同じ参照金利でも市場・商品コードが異なるため別銘柄体系として扱う。
| 市場 | 限月構成 | 最小変動幅 | 最小変動価値 |
|---|---|---|---|
| 大阪取引所 | 3月・6月・9月・12月限を直近から20限月(5年分)。すなわち四半期ごとの異なる20本の限月銘柄を同時に上場する。 | 0.0025ポイント | 1単位当たり625円 |
| 東京金融取引所 | 3月・6月・9月・12月限を直近から20限月(5年分)。 | 0.001 | 1単位当たり250円 |
両市場とも限月構成は20限月であるが、取引所、商品コード、呼値、清算機関・口座体系は別である。同じ限月年月であっても同一銘柄として扱わない。
価格は100から金利を差し引くため、将来金利の低下を見込む場合は買建て、上昇を見込む場合は売建てが利益方向となる。金利値と先物価格の符号関係を反転させない。
取引所ごとに取引時間、取引日、注文制度、清算時点が異なる。外部市場コード、限月コード、取引日境界を市場別に持つ。
大阪取引所の取引はJSCCへ、東京金融取引所の取引はTFXへ清算される。同じポジションを異なる清算機関の証拠金ポートフォリオへ横断相殺しない。
各取引所の金利参照期間・取引最終日・最終決済日の規則に従い、3か月間のTONA日次累積複利から最終決済価格を算出し差金決済する。日次TONAの確報値と適用日数が最終値の根拠となる。
| データ群 | 主な項目 |
|---|---|
| 市場仕様 | 取引所、清算機関、証拠金方式、限月数、取引時間 |
| 参照期間 | 開始日、終了日、各営業日TONA、適用日数、確報状態 |
| 価格 | 100-金利、呼値、清算価格、最終決済価格 |
| 建玉 | 市場別口座、限月、売買、数量、値洗い損益 |
為替変動リスクの調整や通貨市場への投資に利用する。2026年4月13日に大阪取引所で米ドル/円、中国オフショア人民元/円、ユーロ/円の3商品が上場した。通貨ペアの表示順と、価格が『1単位の外国通貨を何円で表すか』という定義を商品マスタで固定する。
| 取引所 | 大阪取引所。 |
| 清算機関 | 日本証券クリアリング機構。 |
| 現行商品 | 米ドル/円、CNH(中国オフショア人民元)/円、ユーロ/円。 |
| 最終決済 | 商品所定の最終清算数値に基づく現金決済。外貨現物を受け渡す先物ではない。 |
大阪取引所の現行通貨先物は、通貨そのものを満期に受け渡す方式ではなく、商品所定の参照レートを基礎とする現金決済型である。
銘柄単位:通貨ペアごとの先物商品 + 限月。米ドル/円、中国オフショア人民元/円、ユーロ/円等を別商品とし、その商品ごとに限月別銘柄を持つ。
| 商品 | 限月構成 | 取引単位 |
|---|---|---|
| 米ドル/円先物 | 3月・6月・9月・12月の直近5限月(最長1年3か月)。 | 10,000米ドル。 |
| 中国オフショア人民元/円先物 | 3月・6月・9月・12月の直近5限月(最長1年3か月)。 | 100,000人民元。 |
| ユーロ/円先物 | 3月・6月・9月・12月の直近5限月(最長1年3か月)。 | 10,000ユーロ。 |
| 価格表示 | 通貨一単位当たりの円価を表示する。通貨ペアごとの呼値単位、限月、取引最終日を銘柄属性として保持する。 | |
三商品は限月構成が共通でも、契約数量と呼値が異なる。同じ1円の価格変化でも1枚当たりの損益額は異なるため、表示桁数、呼値、契約数量を別属性にする。
円に対する対象通貨の先物価格が上昇すれば買建てが利益方向、売建てが損失方向となる。為替予約の『外貨買い・円売り』と経済的方向が近くても、先物では限月別建玉、日々の値洗い、証拠金を管理する。
通貨ペア・限月を銘柄として注文し、約定後は清算口座の建玉へ反映する。反対売買、限月乗換え、満期決済を別イベントとして記録する。現物FXのスポット日やフォワード日と先物限月を同一日付体系にしない。
他の大阪取引所先物と同様、清算価格に基づく日々の清算差金と、JSCC(日本証券クリアリング機構)の証拠金所要額を管理する。為替レートの変動に加え、複数通貨先物間の相殺効果が証拠金計算へ反映される場合がある。
満期前は反対売買で終了できる。満期では取引所が定める参照レート等から最終清算数値を決定し、建玉と最終清算数値の差額を現金決済する。外国通貨の受渡指図は生成しない。
| 銘柄 | 通貨ペア、限月、取引開始・最終日、取引単位、呼値、価格桁。 |
| 参照レート | レート名称、情報源、基準時刻、対象日、採用値、最終清算数値。 |
| 建玉・損益 | 買売、枚数、清算価格、日次差金、最終差金、証拠金。 |
| 決済 | 決済通貨、差金額、決済日、清算口座、状態。 |
金、銀、白金、パラジウム等の価格変動をヘッジ・投資する。貴金属では『金』という名称だけでなく、純度、数量単位、受渡しに使用できる標準品・倉荷証券等が商品価値を構成する。
| 大阪取引所 | 金標準、金ミニ、金限日、ポケットゴールド100、銀、白金標準・ミニ・限日、ポケットプラチナ100、パラジウム等。 |
| 堂島取引所 | 金・銀・白金の商品系列を上場。2026年には貴金属の新商品が追加されている。 |
| 清算 | 大阪取引所・堂島取引所の対象商品はJSCCで清算。 |
| 仕様差 | 取引単位、純度、受渡し/現金決済、限月構成は商品コードごとに保持する。 |
同じ『金先物』でも、取引所・商品系列により取引単位、品質、限月構成、最終決済方法が異なる。
銘柄単位:取引所・貴金属種類・契約サイズ等で定まる商品 + 限月。金標準・金ミニ・ポケット商品等を分けたうえで限月別銘柄を持つ。
| 代表商品 | 限月構成 | 取引単位・決済の特徴 |
|---|---|---|
| 金標準・金ミニ、銀、白金標準・白金ミニ、パラジウム(大阪取引所) | 2月・4月・6月・8月・10月・12月の直近6限月を基本とする。 | 標準・ミニで取引単位が異なる。標準物等では現物受渡し、ミニでは原資産先物価格を用いる現金決済等、商品仕様に従う。 |
| ポケットゴールド100・ポケットプラチナ100 | 翌年12月限のみの1限月制。10月から12月までの間は翌々年12月限が加わり2限月となる。 | 100g単位の限月現金決済先物。 |
| 堂島金500・堂島白金500・堂島銀10K | 6月限・12月限を用いる1限月制。6月・12月の切替時には2限月が並行する。 | 限月現金決済。取引単位は商品ごとに500gまたは10kg。 |
| 銘柄識別 | 取引所+商品コード+限月で特定し、名称が似ていても大阪取引所と堂島取引所の商品を同一銘柄体系にしない。 | |
貴金属では「偶数月6限月」がすべてに共通するわけではない。2026年に上場したポケット商品や堂島の限月現金決済商品は別の限月生成規則を持つ。
価格上昇で買建てが利益方向、売建てが損失方向となる。表示単価と契約数量から1呼値当たりの損益額を計算する。現物金の保有損益と先物の日次清算差金は別データである。
商品系列・限月別に注文・約定・建玉を管理する。現物受渡型では満期接近に伴い受渡し準備へ移るため、反対売買可能な期間、受渡し申告・指図等の締切を日付マスタで管理する。
清算価格により建玉を値洗いし、清算差金と証拠金所要額を更新する。代用有価証券や現金担保の管理は、貴金属現物の受渡し在庫とは別である。
現物受渡型では、受渡数量、標準品、倉荷証券、受渡場所、代金等を管理する。一方、現金決済型では最終清算数値から差額を決済する。限日型などは通常の月限月と期限管理が異なるため、専用の満期生成規則を持つ。
| 商品仕様 | 金属種類、純度、取引単位、呼値、限月、最終決済方法、受渡標準品。 |
| 市場データ | 市場価格、清算価格、最終清算数値、価格単位。 |
| 受渡し | 倉荷証券・銘柄、数量、保管場所、受渡日、代金、状態。 |
| 清算 | 建玉、日次差金、証拠金、清算口座、決済状態。 |
原油、石油製品、電力、LNG(液化天然ガス)等の価格変動を管理する。企業の仕入・販売ヘッジでは、参照価格だけでなく実際の地点・品質・時間帯とのずれが価格連動の不一致リスクとなる。
| 東京商品取引所 | ドバイ原油、電力、LNG、中京石油等のエネルギー商品を上場。 |
| 大阪取引所 | 海外原油指数を参照する先物等、金融的な指数型エネルギー商品がある。 |
| 清算機関 | 大阪取引所・東京商品取引所の商品はJSCCが清算。 |
| 仕様軸 | 原資産、価格源、地域、時間帯、受渡期間、数量単位、決済方法。 |
エネルギーでは、原油の数量単位と電力のエリア・時間帯では商品仕様の次元が異なる。
銘柄単位:取引所・エネルギー商品種類・地域・契約期間区分等で定まる商品 + 限月または契約期間。特に電力ではエリアや月間物・週間物・年度物等を先に区別する。
| 代表商品 | 限月・期間構成 | 取引単位・価格表示の特徴 |
|---|---|---|
| プラッツドバイ原油先物 | 直近15限月。 | 原油価格を参照する現金決済型。数量単位と円換算された最終決済価格を管理する。 |
| LNG(プラッツJKM)先物 | 直近15限月。 | JKM価格を参照する現金決済型。最終価格の算定期間が限月より前に存在する。 |
| 電力先物・月間物 | 連続する24限月。 | エリア×ベースロード/日中ロード×対象月で銘柄化。取引単位は対象月の日数・時間数により変動する。 |
| 電力先物・週間物 | 連続する5週の5限月。 | 対象週とロード区分を銘柄属性として持つ。 |
| 電力先物・年度物 | 直近2年度の2限月。 | 未決済の年度物は取引最終後、対象年度の月間物12限月へカスケーディングする。 |
| CME原油等指数先物 | 直近6か月の6限月。 | 指数値×10,000倍等、指数型の商品仕様を持つ。 |
エネルギー商品では「限月」が単なる月番号とは限らず、週・月・年度という受渡期間そのものを表す場合がある。限月コードとは別に対象期間開始日・終了日、エリア、ロード区分を保持する。
契約価格に対する市場価格の上昇は買建ての利益方向、売建ての損失方向となる。電力等では一期間の数量を時間数等から算出する場合があるため、単純な『価格差×1枚』だけでなく契約数量生成規則を保持する。
商品・地域・期間・限月別に注文、約定、建玉を管理する。週間・月間・年度の電力商品などは重複する期間を持ち得るため、銘柄の期間開始・終了日を明示する。
日次清算価格で清算差金・証拠金を更新する。異なるエネルギー商品の相殺効果は清算規則に従うため、自社の経済的ヘッジ関係だけを証拠金相殺へ流用しない。
商品により現金決済・現物受渡しが異なる。現金決済型は参照価格・最終清算数値、現物受渡型は受渡数量・地点・品質・指図を管理する。電力では物理的な発電・送電契約と先物清算を同一取引にしない。
| 商品仕様 | 原資産、地域・地点、品質、ロード区分、期間種別、数量単位、決済方法。 |
| 価格 | 価格源、観測期間、清算価格、最終清算数値、通貨・単位。 |
| 期間 | 限月、受渡期間開始・終了、最終取引日、最終決済日。 |
| 決済 | 現金差金/現物、数量、場所、口座・受渡先、状態。 |
天然ゴム、大豆、とうもろこし、小豆、米穀指数等の価格変動を管理する。現物受渡型では品種・等級・産地・数量単位等が契約対象を特定する。指数型では指数算出方法が原資産定義の中心となる。
| 大阪取引所 | ゴム、農産物の一部商品を上場。 |
| 堂島取引所 | 堂島コメ平均、とうもろこし、米国産大豆、小豆等を上場。 |
| 清算機関 | 大阪取引所・堂島取引所の対象商品はJSCCで清算。 |
| 商品仕様 | 品種、等級、産地、数量、受渡場所、限月、指数算出方法、決済方式を商品別に持つ。 |
農産物・ゴムでは、標準品を実際に受け渡す商品と、指数値等で現金決済する商品を分ける。
銘柄単位:取引所・商品種類 + 限月。RSS3、とうもろこし、大豆、小豆、堂島コメ平均等を別商品とし、それぞれの限月別銘柄を持つ。
| 代表商品 | 限月構成 | 決済・商品仕様の特徴 |
|---|---|---|
| ゴム(RSS3)先物(大阪取引所) | 毎月を限月とする直近12限月。 | 品質規格、5,000kg等の商品単位、現物受渡しを管理する。 |
| とうもろこし先物(大阪取引所) | 1月・3月・5月・7月・9月・11月の直近6限月。 | 現物受渡し。受渡標準品・受渡場所を持つ。 |
| 一般大豆先物(大阪取引所) | 2月・4月・6月・8月・10月・12月の直近6限月。 | 現物受渡し。 |
| 小豆先物(大阪取引所) | 直近6限月。 | 連続月の銘柄を生成し、現物受渡しを行う。 |
| 堂島コメ平均 | 6限月を並行して管理する。 | 特定銘柄米の現物受渡しではなく、米穀指数の最終決済数値による現金決済。 |
| とうもろこし50(堂島取引所) | 14か月以内の奇数月から6限月。 | 現物受渡し。 |
| 米国産大豆(堂島取引所) | 12か月以内の偶数月から6限月。 | 現物受渡し。 |
| 小豆(堂島取引所) | 6か月以内の連続月から6限月。 | 現物受渡し。 |
同じ農産物でも取引所・商品により限月設定が異なる。商品種類だけから「奇数月6限月」「連続6限月」等を補完せず、取引所の商品仕様を含む限月生成規則を参照する。
価格上昇は買建ての利益方向、売建ての損失方向となる。現物を保有する生産者・需要家のヘッジでは、現物価格と先物価格の差が変動するため、銘柄・品質・地域の違いを価格連動の不一致として管理する。
限月別に建玉を管理し、満期前には反対売買または受渡し・最終決済の準備へ移る。現物受渡しでは受渡申告等の締切があるため、最終取引日だけで業務期限を表現しない。
日々の清算価格で値洗いし、清算差金・証拠金を更新する。現物在庫の時価評価とは別処理である。商品間の証拠金相殺は清算機関のルールを適用する。
現物受渡型では、受渡標準品、数量、倉荷証券等、受渡場所、代金を管理する。指数型は最終指数値等に基づく現金決済となる。受渡不能・品質不一致等は決済失敗とは別の現物受渡例外として保持する。
| 商品仕様 | 品種、等級、産地、数量単位、価格単位、受渡標準品、指数定義。 |
| 銘柄 | 限月、取引最終日、納会日、受渡日、決済方式。 |
| 受渡し | 倉荷証券等、数量、場所、買方・売方、代金、状態。 |
| 市場・清算 | 約定、建玉、清算価格、日次差金、証拠金、最終清算数値。 |
株価指数等の上昇・下落リスクを限定的にヘッジする、予想変動率等を取引するために利用する。日経225、TOPIX、JPX日経400、東証REIT指数等を対象とするオプションがある。指数の構成銘柄を直接取得する権利ではない。
| 取引所 | 大阪取引所。 |
| 清算機関 | 日本証券クリアリング機構。 |
| 商品属性 | 対象指数、限月、コール/プット、権利行使価格、取引単位、行使方式。 |
| 決済 | 代表的な指数オプションは最終清算数値に基づく現金決済。 |
指数は現物として受け渡せないため、満期時は最終清算数値と権利行使価格の関係から行使価値を確定する。
銘柄単位:指数・契約サイズ等で定まるオプション商品 + 限月 + コール/プット + 権利行使価格。限月だけでは一つの銘柄を特定できない。
| 代表商品 | 限月構成 | 銘柄を特定する追加軸 |
|---|---|---|
| 日経225オプション | 計27限月。四半期限月は6月・12月限の直近16限月+3月・9月限の直近3限月、これ以外の月は直近8限月。 | コール/プット+権利行使価格。 |
| 日経225ミニオプション | 計11限月。金曜限月は第2週満期の直近3限月+その他の金曜満期の直近4限月、水曜限月は直近4限月。 | 満期曜日も銘柄識別に含める。 |
| TOPIXオプション | 計19限月。四半期限月は6月・12月限の直近10限月+3月・9月限の直近3限月、その他の月は直近6限月。 | コール/プット+権利行使価格。 |
| 東証REIT指数オプション | 3月・6月・9月・12月の直近3限月。 | コール/プット+権利行使価格。 |
「指数オプション」という分類だけでは限月銘柄を生成できない。特に日経225ミニオプションは月次だけでなく週次・水曜限月を持つため、限月年月だけではなく満期日・限月種別も保持する。
コール買いは指数上昇時、プット買いは指数下落時に価値が増える方向となる。買い手はオプション料を支払い権利を保有し、売り手はオプション料を受け取り行使に応じる義務を負う。コール/プットと買い/売りは別属性である。
銘柄を指定して注文し、約定後は買い建玉・売り建玉へ反映する。満期前の反対売買、権利放棄、行使、売り手への割当て、満期失効をイベントとして保持する。
買い手はオプション料を取引代金として支払う。売り建玉には証拠金が必要となる。先物のような日々の値洗差金と、オプション時価の評価損益を混同しない。証拠金計算では複数建玉のリスクを清算機関のルールで評価する。
商品所定の行使方式・満期判定に従い、本源的価値のある銘柄について自動行使等を処理する。買い手の行使に対応して売り建玉へ割当てを行い、最終清算数値と権利行使価格等から現金決済額を確定する。
| 銘柄 | 対象指数、限月、コール/プット、権利行使価格、倍率、行使方式。 |
| 価格 | オプション料、原資産指数、最終清算数値、時価、予想変動率。 |
| 権利処理 | 行使・放棄・自動行使、割当数量、判定日、状態。 |
| 決済 | 本源的価値、差金額、決済日、口座、状態。 |
個別株式、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)等を対象として、価格上昇・下落リスクのヘッジやオプション戦略に利用する。日本取引所グループでは有価証券オプションを『かぶオプ』として案内している。
| 取引所 | 大阪取引所。 |
| 清算機関 | 日本証券クリアリング機構。 |
| 原資産 | 取引所が対象として指定する株式・ETF・REIT等。 |
| 決済 | 権利行使・割当てにより対象有価証券と権利行使代金の受渡しへ進む商品が中心。 |
指数オプションと異なり、対象となる株式・ETF等の現物証券受渡しへつながる。
銘柄単位:原証券 + 限月 + コール/プット + 権利行使価格。原証券が異なれば、同じ限月・権利行使価格でも別銘柄である。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 限月構成 | 4限月制。直近2か月と、それ以外の3月・6月・9月・12月のうち直近2限月を設定する。 |
| 銘柄 | 原証券 × 限月 × コール/プット × 権利行使価格で特定する。 |
| 取引最終日 | 各限月の第2金曜日の前日を基本とする。 |
| 企業行動 | 株式分割等で権利行使価格や対象数量等が調整される場合があるため、当初条件を上書きせず調整履歴を保持する。 |
同じ原証券でも4つの限月が並行し、さらにコール/プットと複数の権利行使価格が存在する。原証券コードだけでオプション銘柄を識別しない。
コール行使では買い手が権利行使価格で対象証券を買う方向、プット行使では売る方向となる。売り建玉側には対応する反対義務が割り当てられる。経済的損益と現物証券の受渡方向を別々に確認する。
通常の上場オプションと同様に注文・約定・建玉を管理するが、原資産の上場廃止、合併、株式分割等がオプションの銘柄条件へ影響する。企業行動を原資産マスタから自動反映する場合も、取引所の調整決定を根拠にする。
買い手のオプション料と、売り手の証拠金を管理する。評価では原資産価格、残存期間、予想変動率、配当、金利等を用いる。現物株式の時価評価とオプション評価を同じ評価レコードにしない。
権利行使・割当て後は、対象有価証券の銘柄・数量と権利行使代金を決済する。証券決済口座と資金決済口座、行使日、受渡日を関連付け、建玉終了と現物決済完了を区別する。
| オプション銘柄 | 原資産証券ID、限月、コール/プット、権利行使価格、取引単位。 |
| 企業行動 | 事由、効力日、調整前後の権利行使価格・数量、取引所決定、版。 |
| 行使・割当て | 行使数量、割当数量、対象証券数量、代金、処理日。 |
| 決済 | 証券口座、資金口座、受渡日、決済状態、失敗理由。 |
長期国債先物の将来価格に対する上昇・下落リスクをオプションとして取引する。原資産は現物国債そのものではなく、長期国債先物である。
| 取引所 | 大阪取引所。 |
| 清算機関 | 日本証券クリアリング機構。 |
| 原資産 | 長期国債先物。 |
| 行使方式 | アメリカン方式で、商品所定の期間に権利行使できる。 |
権利行使の結果は現金差金や国債現物の直接受渡しではなく、対象となる長期国債先物の建玉へつながる。
銘柄単位:国債先物オプション商品 + 限月 + コール/プット + 権利行使価格。行使後に生成・割当てされる対象先物銘柄は別データとして関連付ける。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 限月構成 | 最大4限月。3月・6月・9月・12月の四半期限月は直近2限月、これ以外の短期物限月は最大直近2限月。 |
| 権利行使対象先物 | 取引最終日後、最初に受渡決済期日が到来する長期国債先物の限月を対象とする。 |
| 銘柄 | 限月 × コール/プット × 権利行使価格で特定する。 |
| 権利行使価格 | 行使によって生成される先物取引の価格として機能するため、オプション料と分離する。 |
オプション限月と、行使後に生成される長期国債先物の限月を同じ項目にしない。両者は商品仕様上の対応関係で結ぶ。
コール買いの行使では対象先物を買う権利、プット買いの行使では対象先物を売る権利を実現する。売り建玉側には対応する反対方向の先物建玉が割り当てられる。
オプションの注文・約定・建玉を管理し、行使時には新たな国債先物建玉を生成する。オプション建玉ID、行使ID、生成先物約定ID、先物建玉IDを関連付ける。
買い手はオプション料を支払い、売り手は証拠金を差し入れる。行使で先物建玉が生じた後は、その先物について日々の値洗い・清算差金・証拠金管理へ移行する。
アメリカン方式のため満期前行使があり得る。行使・割当て数量を確定し、権利行使価格を約定価格とする対象先物建玉等へ反映する。生成先物の限月と受渡し予定を別途管理する。
| オプション | 限月、コール/プット、権利行使価格、買売、数量。 |
| 行使 | 行使日、受付時刻、数量、割当数量、状態。 |
| 生成取引 | 対象国債先物銘柄、買売、約定価格、数量、生成元行使ID。 |
| 後続処理 | 先物建玉、清算価格、証拠金、最終受渡し・反対売買。 |
TONA(無担保コール翌日物金利)3か月金利先物の将来価格に対する権利を取引し、短期金利の変化や予想変動率に対するヘッジ・投資に利用する。原資産は東京金融取引所のTONA3か月金利先物であり、OIS(翌日物金利スワップ)そのものではない。
| 取引所 | 東京金融取引所(TFX)。 |
| 清算機関 | 東京金融取引所自身が金融商品取引清算機関として清算する。 |
| 原資産 | TFXのTONA3か月金利先物。 |
| 行使方式 | アメリカン方式。商品所定の行使可能期間に行使できる。 |
東京金融取引所は市場運営と清算の双方を担い、オプションの原資産も同取引所のTONA3か月金利先物である。
銘柄単位:東京金融取引所のTONA3か月金利先物オプション + 限月 + コール/プット + 権利行使価格。原資産先物の銘柄とは別にオプション銘柄を識別する。
| 限月 | 3月・6月・9月・12月の四半期限月を直近5限月。 |
| オプション料 | 原資産先物価格と整合する価格単位で表示し、最小変動幅0.001は1枚当たり250円に対応する。 |
| 権利行使価格 | 商品所定の間隔で設定され、現行仕様では0.125刻みを基本とする。 |
| 銘柄 | 限月 × コール/プット × 権利行使価格で特定する。 |
原資産のTONA3か月金利先物は20限月であるのに対し、先物オプションは5限月である。原資産先物とオプションに同じ限月生成規則を流用しない。
コールはTONA先物を権利行使価格で買う権利、プットは売る権利である。TONA先物価格は一般に『100-金利』型であるため、金利そのものの上昇・低下と先物価格の方向を取り違えない。
TFXのオプション銘柄として注文・約定・建玉を管理する。反対売買による終了と、権利行使により原資産先物建玉を生成する終了を分ける。市場取引日と行使処理日を別属性にする。
買い手のオプション料、売り建玉の証拠金を管理する。TFXでは同取引所の清算制度・SPAN方式に基づき証拠金を管理するため、JSCCのVaR方式を流用しない。生成されたTONA先物建玉はその後の日次清算・証拠金管理へ移る。
アメリカン方式のため満期前行使を扱う。行使・割当て後は、権利行使価格を基礎にTFXのTONA3か月金利先物の買建玉または売建玉へ反映し、先物側の満期まで日次清算を継続する。
| オプション銘柄 | TFX商品コード、限月、コール/プット、権利行使価格、取引単位。 |
| 行使 | 行使可能日、締切、行使数量、割当数量、処理状態。 |
| 生成先物 | TONA先物銘柄、買売、数量、生成価格、生成元行使ID。 |
| 清算 | TFX清算口座、証拠金方式、日次清算、決済状態。 |
金価格の上昇・下落に対する限定的なヘッジや予想変動率の取引に利用する。大阪取引所の金先物オプションは金標準先物を原資産とするため、金現物価格を直接売買する権利ではない。
| 取引所 | 大阪取引所。 |
| 清算機関 | 日本証券クリアリング機構。 |
| 原資産 | 金標準先物。 |
| 行使方式 | ヨーロピアン方式。所定の満期時に行使判定する。 |
金先物オプションは金標準先物を原資産とするが、オプション自身の取引単位は原資産先物1枚の契約単位と同じではない。
銘柄単位:金先物オプション商品 + 限月 + コール/プット + 権利行使価格。原資産の金標準先物と限月が同じでも、先物銘柄とオプション銘柄は別である。
| 限月 | 2月・4月・6月・8月・10月・12月の直近6限月。 |
| 取引単位 | 金100g相当を基礎とするオプション取引単位。 |
| 価格表示 | 金1g当たりのオプション料として表示する商品仕様を持つ。 |
| 権利行使価格 | 商品所定の間隔で設定され、現行仕様では50円刻みを基本とする。 |
| 原資産との差 | 原資産である金標準先物も偶数月の直近6限月だが、先物1枚の契約単位とオプション1枚の取引単位は異なる。 |
限月年月が同じでも、金標準先物と金先物オプションは別商品・別銘柄である。原資産先物の限月IDとオプション限月IDを関連付けて管理する。
コールは金標準先物を所定価格で買う権利、プットは売る権利である。買い手はオプション料を支払い、売り手は行使に対応する義務を負う。金現物の買い/売り方向へ直接置き換えない。
限月・コール/プット・権利行使価格ごとに銘柄を特定し、注文・約定・建玉を管理する。反対売買または満期処理でオプション建玉を終了する。
買い手のオプション料と売り建玉の証拠金を区別する。評価では原資産である金標準先物価格、残存期間、予想変動率等を用いる。金先物建玉の値洗い差金とオプション評価損益を同一計算にしない。
ヨーロピアン方式のため所定の満期処理で権利行使を判定する。行使時の処理は取引所・清算機関の商品規則に従い、原資産先物との関係、決済額または生成処理を記録する。
| オプション銘柄 | 限月、コール/プット、権利行使価格、取引単位、価格単位。 |
| 原資産 | 金標準先物の商品・限月、原資産価格、清算価格。 |
| 評価 | オプション料、時価、予想変動率、残存期間、感応度。 |
| 権利処理 | 判定日、行使・失効、数量、決済・生成先ID、状態。 |